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資料種別 ディスカッションペーパー
言語区分 日本語
DP番号 15-J-036
タイトル アジアへの輸送玄関 那覇ハブ空港の可能性
著者 伊藤 匡(アジア経済研究所) / 岩橋 培樹(琉球大学) / 石川 良文(南山大学) / 中村 良平(ファカルティフェロー)
日付 2015年07月
キーワード 沖縄、貨物ハブ空港、産業連関、貿易の費用・時間弾力性
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関連研究プロジェクト 経済グローバル化における持続可能な地域経済の展開
ノンテクニカルサマリー ノンテクニカルサマリー
要約
本稿は、2009年10月に操業を開始した那覇空港国際物流拠点が我が国の対アジア貿易拡大にどの程度寄与できるか、そして沖縄県の持続的な地域発展にどの程度貢献しうるかについて、経済学的見地から分析および考察を行った。対アジア貿易の寄与に関しては、東京から輸出されている貨物の貿易統計をもとに運賃弾力性ならびに時間弾力性を推定することで、現在輸出されている航空貨物が那覇経由となることによって、どの程度の輸出増が見込めるかについてシミュレーション分析を行った。その結果、輸送費用に変化がない一方で輸送時間が30%削減された場合、約11%の輸出増が見込まれることを示した。沖縄県の持続的な地域発展に関しては、沖縄県産業連関表を利用することで、沖縄貨物ハブの経済効果を推定した。その結果、沖縄貨物ハブの輸送サービスが沖縄県にもたらす経済効果、それに沖縄貨物ハブによる沖縄の対アジア輸出増がもたらす経済効果を合算してもその効果は沖縄県内総生産の0.3%にも満たず、現状ではその効果はごく小さいものであることが明らかになった。
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